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2009 031234567891011121314151617181920212223242526272829302009 05

男蝶

男蝶 作:しゃのん    画:つとむ

男蝶-1

週末の土曜日は恭子になりきって過ごすのだ。男である自分が恭子という名の美女になってにぎやかな繁華街をハイヒールで闊歩し、一夜かぎりのアバンチュールを求める……。
すれちがう男どもは、皆、必ずといっていいほど恭子に注目する。
おおっ! すげえいい女じゃねえか、という賛嘆の目、こんな美人と犯りたい、という酔っ払いおやじのいやらしい目……。そんな視線を浴びるのが、めくるめく快感なのだ。サポーターできつく固定してあるペニスが発熱膨張して痛くなる。その疼きがたまらない。


男蝶-2

「こうして顔だけ眺めていると、とても男だとは思えん」
「あら、そうですか?」
「髪の毛も、男の髪じゃない」
「そうかしら?」

「こんなに色っぽい女なのに、ここにはこんなものが生えてる……」
吉崎の手は膝の間から太腿に這い上がってきて、勃立しつつある恭子の男根を撫でる。
「あんっ……」
と、恭子は腰をくねらせて喘いだ。

「あらあら、もうこんなに元気になって……」
「恭子のせいだぞ」
灼熱した責め棒を掌に包みこんで触感すると、えもいわれぬ陶酔感に見舞われる。
この男は、あたしに発情している!
今さっき、あたしの肛門に挿入して、あまりにもアブノーマルで刺戟的な昂奮を味わい、その糜爛した快感をもういちど味わいたくて勃起している……。
「恭子も元気になってきたぞ」
「いやですわ……」 と、シナをつくって恥じらいを見せ、腰をくなくなとくねらせてみる。
「しゃぶってくれ」
「あらまあ、下品ですこと」
「さっきもしゃぶってきれたじゃないか。恭子のおしゃぶりは絶妙だ。その赤い口唇を見てると我慢できなくなってきた」
「じゃ、そのあとで、いっぱいしてくれます?」
「ああ、もちろんだとも。わしはな、女を知ったばかりの少年のような気分なんだよ。今まで知らなかったのが損をしたような、もったいないような、そんな気分なんだ。男の尻がこれほどいいものとはなあ……」
「そんなにほめていただくとうれしいわ。それじゃ、お口を使わせていただきますね」
恭子は体の位置を変えた。
横座りをさらに崩すような格好になって吉崎の下腹部にしなだれかかり、細指に握りしめた肉棒を間近でじっくりと眺めてみる。
女の淫汁で磨かれてきた黒魔羅だ。鼻先に迫る黒紫に艶光りする亀頭から強烈な牡臭が漂ってきて、恭子はめまいがしそうなほど頭がクラクラとなった……。

鏡に映る自分の貌にじっくりと眺め入り、しばらくの間、見惚れてしまう。
この真っ赤にルージュを塗りこめた口唇でフェラチオしてやると、吉崎は今にも爆ぜそうなほど喜悦した。吉崎のペニスが剛直して感じまくっているのは、恭子が男だからこそ、わが身のようによくわかるのだ。
舌をからめて吸い、舌面を強く摺りつけ、いやらしく、ひどくいやらしく舌と口唇を使ってやるのだ。男が何に反応するのかはわかっている。
あのとき、口淫愛撫しながら、恭子の男根も暴発しそうなほどそそり立っていた。

そうやって、フェラチオ淫戯を貪っていると、吉崎のほうから求めてきた。
もちろん、女装ホモの倒錯淫楽の本道はアナルセックスにあると恭子は考えているし、また、自分の淫欲も肛門へのインサートを烈しく望んでいたが、恭子は焦らしつづけ、相手から要求があるのを待っていたのだった。
「恭子、もう待てない……」
「どうなさりたいの?」
「入れさせてくれ」


男蝶-4

「恭子、おまえって、男を誑かして、ほんとに性悪の悪女ね」
と、鏡の中の美女に向かって語りかけてみる。
至福の刻だ。